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新型コロナウイルスの電車や飲食店での感染確率について(考察のための基礎研究)

[2020.10.14]

 中国で、列車内での新型コロナウイルス感染症COVID-19)感染リスクを疫学モデル研究で定量化した研究があります。2019年12月19日から2020年3月6日の間に高速列車に乗車していたCOVID-19発症患者2334例と0-8時間同乗した濃厚接触者7万2093例を対象とした研究です。

 その結果、発症患者の横並び(row)3列および縦並び(column)5列の距離内の席に座っていた乗客の平均感染率は0.32%でした。発症患者と横並び列の乗客の平均感染率は1.5%で、他の列の乗客よりも高かったとのことです(相対リスク11.2、95%CI 8.6-14.6)。発症患者の隣に座っていた乗客の感染率は3.5%と最も高く(同18.0、13.9-23.4)、感染率は発端患者から距離が離れると共に低下しました。しかし感染率は同乗時間に伴い増加し、1時間当たりのリスク増加度は平均0.15%、隣席の乗客では1.3%でした(P=0.005、0.008)。
Hu M, et al. The risk of COVID-19 transmission in train passengers: an epidemiological and modelling study. Clin Infect Dis. 2020 Jul 29.

 

 

 また、日本の理化学研究所などのチームは2020年10月13日新型コロナウイルス対策の研究として、飲食店の会話時のしぶき(飛沫(ひまつ))の広がり方をスーパーコンピューター「富岳」を使って計算した結果を発表しました。結果は、隣に座る人と話す場合、正面の人に話すのに比べ、5倍の数の飛沫を浴びせることになると推定されました。

 チームは飲食店の標準サイズという60センチ角のテーブルを二つつなげた席に、2人ずつ向き合って4人が座った場合を考えました。話す人が相手の顔を見ながら1分程度会話をした時、どの程度飛沫が飛ぶのかシミュレーションしました。

 正面の人に向かって話した場合は、話す人の口からでた飛沫の全体数の5%程度が届く計算結果になりました。この時、はす向かい(斜め前)や、隣の人にはほとんど飛ばないという結果でした。はす向かいの人に話した場合は、正面に比べ4分の1程度でした。一方、隣の人に向かって話す場合は、正面に比べ5倍程度の飛沫が届いたとのことです。

 

 以上の2つの研究より、隣り合わせで座って話すときは、感染の片方の人が新型コロナウイルス感染者であった場合、もう片方の人が感染する確率が高くなることが示唆されます。

 

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