定義
上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の時
(但し、家庭血圧の値が5~7日の平均でどちらか一方でも135/85mmHg以上である場合も高血圧と診断されます。)
生活習慣病
Lifestyle
厚生労働省によると、生活習慣病とは、
生活習慣が原因で起こる疾患の総称で、重篤な疾患の要因となる疾患のことです。
食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、それらが発症の原因となる疾患の総称です。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。
日本人の三大死因である
がん・脳血管疾患・心疾患、
更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる
動脈硬化症・高血圧症・脂質異常症・糖尿病など
はいずれも生活習慣病であるとされています。
19世紀まで人類の健康上の課題は感染症の克服でしたが、先進諸国では20世紀以降に疾病構造が大きく様変わりして、生活習慣病が主たる死亡原因となっています。
医学的な根拠に基づいた生活習慣の指導をいたします。生活習慣病の改善は、まず、日常生活の改善から始まることがほとんどです。今までできなかった健康的な生活を継続していくことは、簡単なことではありませんが、日々の経過を患者様と一緒に二人三脚で歩んでいくことを心がけます。
また、重篤な糖尿病など、高度な医療機関での治療が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介し、紹介病院と十分な連携を取りながら、治療をすすめていきます。
(一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子より抜粋)
高血圧症は、生活習慣病の中でも最も大切な病気のひとつです。定義は以下のようになります。
上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の時
(但し、家庭血圧の値が5~7日の平均でどちらか一方でも135/85mmHg以上である場合も高血圧と診断されます。)
高血圧は、原因をひとつに定めることのできない本態性高血圧と、原因が明らかな二次性高血圧に分けられます。
日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧で、遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満などさまざまな要因が組み合わさって起こります。中年以降にみられ、親が高血圧の場合に起こりやすい高血圧といえます。食生活を中心とした生活習慣の修正が予防・治療にきわめて大切です。
高血圧には家族性の要因が60%あるといわれています。これには遺伝の要素(遺伝的要因)と、家族で似た生活環境(食塩摂取量が多い、過食や偏食による肥満、運動不足など)にあるという環境要因の両者の可能性が考えられます。
これに対し、二次性高血圧は、高血圧の1~2割を占めます。
原因として、副腎など内分泌腺の病気により血圧を上げるホルモンが体のなかで増える場合などがあります。
75歳未満は診察室血圧で130/80mmHg未満
75歳以上でも140/90mmHg未満を目指します。
合併している病気の状態などによって、より厳格に下げたほうがよい場合や、逆に慎重に下げたほうがよい場合があります。
また、下がりすぎによって血圧を下げる利益よりも副作用など不利益(有害事象と呼ばれています)が大きくなってしまうことがあります。
高血圧は治療せずにそのままにしておくと動脈硬化が進行して脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気になる危険性が高まります。
(日本動脈硬化学会ホームページより抜粋)
脂質異常症とは
この状態を放置していると動脈硬化(動脈の壁にコレステロールがたまり、硬くなったり狭くなったりして血液の流れが悪くなる状態)が起こり、静かに進行して、心筋梗塞や脳梗塞といった怖い疾患が起こるおそれがあります。
LDLコレステロールが140 mg/dl以上(高LDLコレステロール血症)
HDLコレステロールが40 mg/dl未満(低HDLコレステロール血症)
中性脂肪(TG)が150 mg/dl以上(高中性脂肪血症)のいずれか
遺伝的な要素、過食、脂肪の多い食生活、運動不足、ストレスなどが関係しています。
まず生活習慣の改善を行った後、薬物療法の適用を考慮します。
2020年厚生労働省の発表では、コレステロール摂取量を1日200mg未満に抑えることが望ましいとされています。
動物性脂肪の代わりに魚や植物性の油を多く摂ること、コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く摂ること、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取を避けること、アルコールを控えめにすることなどです。
食事や生活習慣を行っても、数値の改善が見られない場合、内服薬による治療を行います。
特に、糖尿病などを併発している人などは早期改善を必要とするため、内服薬が早期から処方されます。
現在、使用可能な高コレステロール血症の治療薬の中心は、スタチンと呼ばれる種類の薬です。その他に数種類の治療薬があります。
スタチンは、高LDL-C血症に対する薬物治療の中心ですが、動脈硬化性疾患発症予防薬の役割も担っており、薬剤の選択となれば第一選択薬となります。
また中性脂肪が高い場合は、フィブラート系という薬を使います。
LDLコレステロールの値を、100から70 mg/dl未満
(慢性腎臓病やメタボリックシンドロームなどの有無により基準値がかわります)
中性脂肪は150 mg/dl未満に、HDLコレステロールは40 mg/dl未満
これらは一次二次予防共通です。
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高い状態をさす病気です。
糖尿病には「インスリン依存型(1型)糖尿病」と「インスリン非依存型(2型)糖尿病」の2つのタイプがあります。
ウイルス感染や自己免疫により膵臓が破壊されておきるタイプです。
糖尿病全体の5%をこのタイプが占めます。
糖尿病は深刻な合併症(神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化症など)を引き起こすことがあり、最悪の場合は、死に至る危険な病気です。早めの治療・対策が必要です。
当院では、軽度の糖尿病の患者様に対して運動療法、食事療法、内服薬による薬物療法を行っています。
(重度の患者様、ならびにインスリンによる治療が必要な患者様は、専門医の先生による医療が適切と考えております。そのため、重症な場合やインスリン治療の必要な場合は、専門医療機関をご紹介させていただいております。)
脳卒中は、タバコ、大量飲酒や運動不足などの生活習慣の乱れから起こりやすい病気です。
また、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの病気・症状のある方もおこる危険性が高いと言われています。
当院では、脳卒中を防ぐため、病気や症状を抑えるための指導や薬の処方をしたり、生活習慣についての指導を行っています。