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夏は、お子さんが、親せきの家に行ったりすることが多いと思います。
今回は、そういった中で、子供たちを含めた、気道異物による咳をとりあげたいと思います。
食べ物、おもちゃ、生活用品、歯などを飲み込んだりして、誤って気管に落ちると、それを気道異物と言います。年齢別には圧倒的に1歳前後が多く、ピーナッツなどの豆類を主とする有機物が80%程度を占めます。
気道異物の50~60%に咳の症状がみられます。
一般的に、突然に始まった咳こみ、ゼイゼイ、ヒューヒュー、息苦しさ、その後、一時的にそれらの症状は軽快するものの、再び長く続く咳、ゼイゼイ、ヒューヒューが出現します。レントゲンで肺炎の影を認めても、抗生剤が効かないなどの経過をとります。
解剖学医的に右の気管支に入りやすく、診断には、胸部CTが大変有用です。
治療は、小児科、小児に精通した麻酔科医のいる小児救急施設での処置が安全です。乳幼児の場合、空気の通ることのできる構造の気管支鏡で異物を除去します。
異物除去後も、肺炎などの合併の可能性があり、十分な管理が必要です。
近年、気道異物による死亡率は低下してきていますが、それでも現在でも気道異物による死亡率はゼロではありません。
気道異物は家庭での事故発生が大半を占めます。ピーナッツなどの豆類を小さな子供たちの手に届かないように、周囲の一人一人の大人が細心の注意をして気を配ることが大切です。