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2007年に、慢性の咳(8週以上続く咳)に併存する閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者さまを、鼻などから圧をかけて呼吸の補助を行う持続陽圧呼吸療法(CPAP)で治療したところ、慢性の咳が改善したという報告がなされました。
以後、OSASと慢性の咳との関連について研究が進みました。
その結果、慢性の咳の患者さまのうちOSASをもつものは、33%から84%にのぼることがわかりました。つまり言い換えると、8週間以上咳が続き、咳喘息などの治療がなかなか効かない場合、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の合併を疑って、検査を受けることは意味があるということです。
ふつう、睡眠時無呼吸症候群では、呼吸していないことに加え、いびきや、昼間の眠気を訴えることが多いです。
OSASで咳を訴える患者さんの場合は、いびきはありますが、さらに夜の胸やけや咳、鼻炎、体重増加などを示します。また日中の眠気をしばしば訴えないという特徴もあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、無呼吸・低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数:AHI)が、20以上あればCPAPが標準的な治療となります。実際CPAPの治療を行ったところ、慢性の咳の患者さんの66.7%が咳が改善した(CPAP治療をしなかったグループは9.5%しか咳は改善しなかった)という報告があります。