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日本での急激な新型コロナウイルス発生数の減少についての考察|いそご内科・呼吸器内科|京急杉田駅徒歩3分|JR新杉田駅徒歩6分|ブログ

日本での急激な新型コロナウイルス発生数の減少についての考察

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  • 東アジアでの一致した新型コロナウイルス感染者数が少ないという傾向
  • 人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数
  • Masashi Idogawa, Shoichiro Tange, Hiroshi Nakase, and Takashi Tokino.
    Interactive Web-based Graphs of Coronavirus Disease 2019 Cases and Deaths per Population by Country.
    Clinical Infectious Diseases 2020; 71:902-903.
    https://dx.doi.org/10.1093/cid/ciaa500

(札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門のHPより抜粋記述)

アメリカ合衆国137,242.0人、イギリス 129,273.9人

メキシコ 29,330.5人、アルゼンチン 116,821.0人

韓国 6,863.8人、日本13,579.3人

このように東アジアの国では、欧州やアメリカ大陸諸国より感染者数が少ないという報告になっています。

 

  • マスク装着率

(株式会社 日本リサーチセンターによる調査)

2020年3月 %→2021年1月 % 各国のマスク装着率の変化

アメリカ合衆国 (5%→80%)、イギリス (2%→74%)

メキシコ、アルゼンチン

韓国、日本(62%→90%)

メキシコ、アルゼンチン、韓国のデータの記載はありませんでしたが、各国とも、この1年10か月でマスク装着率は上昇していることがわかります。

 

  • ワクチン接種率(2021年10月23日 現在。)

(アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などの国の保健省庁などの情報に基づき

https://ourworldindata.org/covid-vaccinations?country=OWID_WRL

より引用)必要回数のワクチン接種が完了した割合

アメリカ合衆国 57.8 %、イギリス 67.8 %

メキシコ 41.5 %、アルゼンチン 55.8 %

韓国 69.5 %、日本 70.1 %

 

  • 2万年前の東アジアでの流行

オーストラリア連邦科学産業研究機構・クイーンズランド工科大学(CSIRO-QUT)のキリル・アレクサンドロフ(Kirill Alexandrov)教授や米アリゾナ大の研究者らで構成される国際研究チームは、人間の遺伝子とコロナウイルスに関する研究(Current Biology  volume 31, Issue 16, 3504-3514, 2021.)を行った結果、東アジアの人々の祖先が、新型コロナウイルスに似たコロナウイルスによって引き起こされた感染症を経験したという証拠を発見しました。コロナウイルスに関連する変化は中国と日本、ベトナム国内の計5カ所で見つかりました。チームは、各地で別々に起きた流行が東アジア全体に広がったとの見方を示しています。

インフルエンザのように季節性のある流行だったのか、新型コロナウイルスのように通年発生していたのかは明らかでないとのことです。

感染を経験して遺伝子が変化した集団は、コロナウイルスに打ち勝つ力をつけて生存競争に有利となり、長い年月を経て人口全体に占める割合が大きくなったと考えられます。

 

以上が私個人が、2021年10月の現段階で、日本での急激な新型コロナウイルス感染が減少していることを考察するのに、十分考慮すべきだと考え選択した情報です。

もちろんほかの考慮すべき要素もあると思われます。感染症や疫学の専門の方々がやがて学術的に、この日本人での感染者減少の謎を解き明かしてくださるものと期待されます。