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これから数回は、昔から知られているひゅーひゅーゼイゼイと音のする古典的な気管支喘息と、咳や痰が特徴の咳喘息(古典的な気管支喘息の軽いグループというとらえかたがわかりやすいです)、そしてその周辺のアレルギー疾患による咳をひきおこす病気についてご説明していきたいと思います。
気管支喘息は、『喘息予防・管理ガイドライン2018』によると、
「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動をもった気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴付けられる疾患」 と定義されています。
これをやさしく言い換えると、
「気管支喘息では肺の中にある空気の通り道の内側の壁に、いつも(アレルギー性の)炎症が起きている。そして炎症が起きている結果、空気の通り道が狭くなり、ぜーぜー、ひゅーひゅー言うような息苦しさや咳が生じる。空気の通り道は状況によって狭くなって症状が悪くなったり、再び広がって症状が良くなったりする(すなわち『可逆性』がある)。気管支喘息はこのような特徴をもつ病気」 となります。
痰という観点から喘息をみると、喘息の患者さんの痰が出る人の率は、タバコを吸う人では56%、吸わない人では20%で、タバコを吸う人に痰が出る人が多いと報告されています。タバコをやめるとやがて痰の出る量は減っていきます。最終的にはタバコを吸わない人と同じになっていきます。
気管支喘息では咳や痰の多い人は、喘息も重症になりやすいことがわかっています。
そのため禁煙はタールなどの気道を刺激する物質を減らすだけでなく、痰を減らし喘息の悪化を防ぐ意味で大変重要と考えられます。
喘息の治療は吸入ステロイドが基本の治療で、必要があればそこに気管支拡張剤(ベータ刺激薬とよばれるもの)や内服薬を順次追加していく治療になります。
症状の重症度に応じて薬を増量したり、逆に6か月ほど症状が安定していれば減量したりしていきます。大切なのは自己判断で中止したりせず、担当医の先生とよく相談の上で治療を進めていくことです。