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気管支喘息の症状として多いのは、咳、ゼイゼイ、息切れ、胸が締め付けられるように息がしにくいなどです。ただ咳を生じる病気のブログの所でも述べましたように、これらの症状は、喘息だけに特有なものではありません。咳は、気管支炎、肺炎、肺結核、肺がん、肺梗塞などでも起きますし、ゼイゼイは心不全で肺に水がたまっている状態でも起きてきます。息切れは、心不全やたばこによる慢性閉塞性肺疾患をはじめとする肺でのガス交換の障害で起きて来ます。胸がしめつけられるような感覚は気管支喘息よりはむしろ狭心症のほうが発生頻度も多く、緊急性が高いかもしれません。
このように喘息の症状というのは、日常的によく出会う、非特異的な症状なのです。
外来では、発熱の有無、周囲で同じ症状の人がいるかどうか、過去結核を患ったことがあるかどうか、を詳細にお聞きします。その後診察をし、変な音が聞こえないかどうか、そしてそのうえで胸のX線写真をとります。そうしてまず、感染症(結核菌を含む細菌、ウイルス、真菌(カビ))の可能性を否定します。
胸のしめつけられる感じがあれば狭心症を疑い、高血圧、糖尿病、脂質異常症(悪玉コレステロールや中性脂肪が高い病気)そして喫煙の有無をききます。血圧測定、診察後、心電図を測定し少なくともいまは心臓が虚血に陥ってないかどうか判断します。さらに循環器的な詳しい検査が必要と判断すれば専門的な大きな医療機関にご紹介し、狭心症の検査不要となれば、呼吸器を中心とした精査を行っていきます。
気管支喘息では咳だけや痰だけの症状のときもあります。
呼吸器の病気で、しばしば気管支喘息と区別しにくい病気に、タバコによる慢性閉塞性肺疾患(COPD)と太い気道(中枢気道)の狭くなっている状態(おもに扁平上皮がん)があります。
気管支喘息の場合、症状が悪くなったり良くなったり乃変動が大きく、季節や花粉などのきっかけに続く反復するエピソードならびにその間の無症状の時期が存在することが特徴で、それらの症状があれば、気管支喘息の診断の参考になります。
以上まとめると 以下のようになります。
・ゼイゼイ、息切れ、咳、胸が締め付けられる感じの複数の組み合わせが、ひどくなったり、軽くなったりして、出現する。
・夜や早朝に悪化する傾向がある。
・風邪をひいたり、運動や、アレルギーを起こすものに接したとき、温度や気圧の変化(雨や寒くなったり)、笑ったり長い時間電話で話したとき、空気の悪い都会や工事現場など、強いにおいで、ゼイゼイや息苦しさ、咳がでてくる。
・いつごろその症状がでたか。小さいころに小児ぜんそくがあったかどうか。以前に吸入薬などの喘息の薬を使ったことがあるかどうか。それらが効いたかどうか
・アレルギー性鼻炎や、薬や食べ物に対するアレルギーがあるかどうか
・煙草を吸うかどうか、どんな家に住んでいるか、ペットを飼っているか、血圧をさげる薬などを飲んでいるかどうか
・職場はホコリ、空調、、温度など環境はどうか。
・血のつながっている人で、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの病気の人がいるかどうか
これらを組み合わせて、診察、検査へと進んでいくのです。