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自分たちでできる感染症対策の基本|いそご内科・呼吸器内科|京急杉田駅徒歩3分|JR新杉田駅徒歩6分|ブログ

自分たちでできる感染症対策の基本

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<自分たちでできる感染症対策の基本>

 

・ 手洗い 

(方法) https://family.saraya.com/tearai/index.html

例えば上記の会社のHPに具体的な手洗いの方法があります。ポイントは、指の関節の皮膚の溝、手のひらの溝、手首の皮膚の溝、指と指の間のくぼみをよく洗うことです。

(科学的根拠)

ノロウイルスを用いた実験によると(日本感染症学会誌,2006)、流水のみの、もみ手洗いでもウイルス量は1/100に減少し、石鹸で10秒洗い、水で流すと、ウイルス量がもとの約1/1000から1/10000に低下することがわかっています。

さらに石鹸で10秒洗い、水で流す手洗いを2回繰り返すと、ウイルス量は最初の

約1/10万から1/100万に低下することがわかっています。

 

 

 ・ うがい 

(具体的方法)

まず口の中を、ゆすぎます。(口の中には、食べ物のカスやウイルスがたくさん存在している可能性があります。満員電車や会議室など、ウイルスが密集しやすい場所を出たあとにいきなり「ガラガラうがい」をすると、ウイルスをのどの奥に押し込む危険性が否定できないためです。)

次にガラガラと声を立てて15秒程度うがいをします。これを2回繰り返します。

(科学的根拠)

論文によると(American Journal of Preventive Medicine, 2005), 感染予防の場合うがい薬を使うより水だけでうがいをする方が、風邪にかかりにくいことがわかっています。うがい薬のほうが、効果が少ない原因として、うがい薬がのどの粘膜を傷つけていることが推測されています。

 

・ 咳エチケットの具体的方法

これには三つの柱があります。

一.マスクを着用

二.ハンカチやティッシュで口と鼻を覆う

三.上着の内側や袖で覆う

( 注:手のひらで覆ってしまうと、手のひらが汚染されてしまい、その手で触れた

部分が次々と汚染されて行ってしまうため、手のひらでは覆わないように

しましょう。)

 

 ・ マスクの効果 (有効な場面 効果のあまりない場面)

厚生労働省が以前新型インフルエンザ専門会議で出した提言によると

「症状のある人が、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不織布(ふしょくふ)

製マスクを積極的に着用することが推奨される(咳エチケット)」 としております。

 

  • 咳・くしゃみなどの症状のある人 は、周囲の人に感染を拡大する可能性がある(風邪やインフルエンザ患者は1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを放出すると言われています。)ため、可能な限り外出すべきではありません。また、やむを得ず外出する際には、 咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐため に不織布製マスクを積極的に着用することが推奨されます。これは咳エチケットの一部となっています。
  • 健康な人は、マスクを着用することにより、机、ドア、ノブ、スイッチなどに付着したウイルスが手を介して口や鼻に直接触れることを防ぐことから、ある程度は接触感染を減らすことが期待されます。 また、環境中のウイルスを含んだ飛沫は不織布製マスクのフィルターにある程度は捕捉されます。しかしながら、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用することで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない、とされています。

 

 ・ 消毒 (アルコール、希釈次亜塩素酸)

環境中における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残存期間は、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)によると、飛沫よりも小さな粒子であるエアロゾル中では、空中で最低3時間は生き残ると報告されています。またウイルスが物体に付着した場合、ウイルスが活性を保っている期間は、物質の種類によって異なり、プラスチックやステンレスは3日以上、段ボール紙は1日、銅は4時間でした。

ドイツの研究者らはアルコールなどで消毒すると表面を消毒してから1分以内に数百万個のウイルス粒子が100個まで減少し、感染のリスクを抑える可能性があるとしています。

接触部位などはアルコールあるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭での消毒の励行が望ましいです。新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や新型コ ロナウイルス感染症の患者、濃厚接触者が使用した使用後のトイレは、次亜塩素酸ナトリウム (1,000ppm)、またはアルコール(70%)による清拭を毎日実施することが推奨されます。疑い患者の衣類などは、通常の 80℃・10 分間の熱水消毒後、洗濯を行うことになります。

 

 ・ 適度な湿度を保つ

アメリカの「アレルギー感染症研究所」「国立衛生研究所」「国防総省先端技術開発庁」「全米科学財団」などの委託を受けて行われた「COVID-19新型コロナウイルス感染症)媒介物報告書」によると、新型コロナウイルスは湿度に弱いということがわかりました。加湿器を使い、湿度50%でカ氏72度(セ氏22.22度)にすれば、ウイルスの活動が収まることが判明したということです。また湿度が高すぎると空気中のウイルスを含みうるエアロゾルが乾燥して地上に落下するのを妨げてしまいます。以上を考えると室内の湿度は、加湿器などを使って、適切な湿度(50~60%)を保つのが重要です。

 

 ・ 換気

2002年から2003年に流行したSARSは、別な種類のコロナウイルスがその原因ウイルスですが、当時、SARS患者の対応にあたった中国の大学病院で働く医療関係者の感染リスクを調べた研究があります。その研究によると、部屋の対角線上にある2か所の窓を開けて空気の流れを作ること(窓が1か所しかない場合は、窓ガラスの位置を窓の真ん中にして2か所開く)、窓に向かってファンを回して空気の流れを促進させることが勧められています。換気回数ですが、30分以上も空気中を浮遊する結核菌の90%を除去するためには、1時間に6回以上(1回ごとに数分以上)!の換気が必要とされています。

 

 

 

<感染症対策のポイントのまとめ>

  • 手洗い 手洗いは、石鹸で10秒洗って、流水で流しましょう。特に手洗いの時は皮膚の溝をよく洗ってください。
  • うがい  うがいは、くちをゆすいだあと、がらがらうがいを10秒以上2回おこなってください。
  • 咳やくしゃみ  咳やくしゃみをするときは、マスク、ハンカチ、ティッシュなどで口と鼻を抑えましょう。何もないときは、上着の内側や袖で、覆いましょう。
  • マスク   マスクを着用すると、ウイルスが付着した手を鼻や口につけても感染しないようにする効果があります。一方、健康な人が感染防止に普通のマスクをつけていても、完全にウイルスを吸い込むのを防ぐことはできません。
  • 消毒   アルコールや次亜塩素酸で定期的に消毒を行いましょう。
  • 湿度調節   加湿器などでウイルスの活動がおさまる湿度(50-60%)を保つようにしてみましょう。
  • 換気     1時間に数回の換気を行い、外から持ち込まれるウイルスの排出をこころがけましょう。窓が一か所しかなければ、内側からファンを窓に向かって回すのも効果的です。
  • 体調のチェック    毎日5℃以上の発熱、咳、体のだるさの有無をチェックしましょう。

 

最後にコロナウイルス感染の防止のポイントを一言で言うと、神戸大学の岩田健太郎先生による日本医事新報社の中での簡潔なコメントがあります。

『非常に厄介ではあるが、本感染症との対峙の方法はほぼ確立しています。

  • きちんとした手指消毒
  • 長時間の密閉空間共有の回避

です。』

正しいきちんとした手洗いと、閉鎖空間を避けて換気をよくすることで感染を防ぎましょう。