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咳喘息の定義は、「喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性咳嗽が唯一の症状で、呼吸機能ほぼ正常、気道過敏性軽度亢進、気管支拡張薬が有効な喘息の亜型」です。
やさしく言い換えると、「ひゅーひゅー、ゼイゼイ言わないし、呼吸困難で死にそうに苦しくなったりしないけど、長く続く咳の症状があるもの。呼吸機能検査をすると、空気の通り抜け方はほぼ正常で、でも気道は刺激によりやや過敏に収縮しやすく、気管支拡張薬を使うと、咳の症状がとれるタイプの喘息のグループ」となります。
血液検査ではアレルギーを示すIgEというたんぱく質が増えることが多いですが、古典的な気管支喘息よりその上がり方は少ないです。すなわち血液検査で正常でも咳喘息はないとは言えません。
呼吸機能検査を行うと、数値自体は正常であることが多いです。しかし細かく見ていくと正常の人に比べて、検査した時のグラフのカーブの形が異なっていたりします。
自宅で行うことができる簡易的な呼吸機能検査に、ピークフローというものがあります。
ピークフローは咳がひどいときは数値が低下し、咳がよくなると、数値が再び上昇してもとの数値にもどります。
咳は、寝るとき、深夜、早朝に悪化しやすいです。時に昼間に悪化する例もあります。
風邪や冷たい空気を吸い込んだ時、運動したとき、タバコの煙を吸った時、雨の日、湿度が上がった時、花粉や黄砂が飛んだ時に、咳は悪化します。
診断は、
ほかの原因疾患がなく、このふたつを満たせば咳喘息と診断できます。
そのほか、痰や血液検査で好酸球(アレルギーのときに増える細胞)の増加や、吐く息の中の一酸化窒素(気道の内側にアレルギーの細胞があり活性化しているときに増えてくる)の増加があれば、診断の助けになります。
治療は古典的喘息と基本的には同じで、吸入ステロイドが第一選択となります。
治療しないと、成人の場合典型的喘息に30~40%が移行し、小児ではさらに高い頻度でひゅーひゅーぜいぜいいう典型的喘息に移っていってしまいます。
治療を中断するとしばしば咳は再び出現し、悪化します。そのため一般に長期治療が望まれます。1年以上治療をし、吸入ステロイド薬を減らしても症状がまったくないならば、薬を中止するかどうかは主治医との相談になります。勝手に自己判断で吸入治療をやめてはいけません。

いそご内科・呼吸器内科
山本 栄治 医師
日本内科学会 総合内科専門医/日本アレルギー学会 アレルギー専門医/感染症コントロールドクター(ICD)
1994年に医師免許を取得。国立長崎中央病院での研修、長崎県の離島医療、神奈川県内の病院・呼吸器専門医療機関での診療を経て、2019年5月にいそご内科・呼吸器内科を開業。
総合内科・呼吸器内科・アレルギー科を診療しています。症状の経過と診察・検査を踏まえ、病気の状態と治療の考え方を筋道立てて分かりやすく説明することを大切にしています。