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間質性肺炎|いそご内科・呼吸器内科|京急杉田駅徒歩3分|JR新杉田駅徒歩6分|ブログ

間質性肺炎

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間質性肺炎とは炎症や繊維化が肺の間質に認められる疾患群でその原因は様々です。

(注1 炎症:物理的刺激(火傷や凍傷など)、や化学的な刺激(化学薬品接触など)や、ウイルスなどの微生物の感染に対して起こす生体の防御反応の一つ。ただし間質性肺炎の約80%を占める肺線維症では炎症の原因がはっきりしていない。)

(注2 肺の間質:肺の空気が入る部分である肺胞を除いた部分で、主に肺を支える役割を担っている部分)

 

以下、国の難病情報センターの特発性間質性肺炎のページから抜粋します。

 

「呼吸」とは、吸った空気(吸気)が気道(気管や気管支など)を通過し、肺の奥にある「肺胞」と呼ばれる部屋に運ばれ、肺胞の薄い壁の中(間質)を流れる毛細血管内の赤血球に酸素を与えると同時に二酸化炭素を取り出すガス交換が行われ(図1左)、また呼気として吐き出される運動です。

間質性肺炎は、さまざまな原因からこの薄い肺胞壁に炎症や損傷がおこり、壁が厚く硬くなり(線維化)、ガス交換がうまくできなくなる病気です(図1右)。また、肺の最小単位である小葉を囲んでいる小葉間隔壁や肺を包む胸膜が厚く線維化して肺が膨らむことができなくなります。線維化が進んで肺が硬く縮むと、蜂巣肺といわれるような穴(嚢胞)ができ、胸部CTで確認できます(図2)。

 

特徴的な症状としては、安静時には感じない呼吸困難感が、坂道や階段、平地歩行中や入浴・排便などの日常生活の動作の中で感じるようになります(労作時呼吸困難)。季節に関係なく痰を伴わない空咳(乾性咳嗽)で悩まされることもあります。(特発性肺繊維症の80%以上に咳の症状が認められます。

長年かけて次第に進行してくるので自覚症状が出るころには病状が進行していることもあります。また、風邪様症状の後、急激に呼吸困難が出現し病院に救急受診することもあり、「急性増悪」と呼ばれています。

 

間質性肺炎の原因には、関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの膠原病(自己免疫疾患)、職業上や生活上での粉塵(ほこり)やカビ・ペットの毛・羽毛などの慢性的な吸入(じん肺や慢性過敏性肺炎)、病院で処方される薬剤・漢方薬・サプリメントなどの健康食品(薬剤性肺炎)、特殊な感染症など様々あることが知られていますが、原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」といいます。

 

特発性間質性肺炎は

 

  • 主要な特発性間質性肺炎
  • まれな特発性間質性肺炎(2つ)
  • 分類不能型特発性間質性肺炎

 

の3つに分類されます。

 

主要な特発性間質性肺炎は病態の異なる6つの疾患からなりますが、頻度からすると「特発性肺線維症」、「特発性器質化肺炎」、「特発性非特異性間質性肺炎」の3つの疾患のいずれかに診断されることがほとんどです。

その診断は、既往歴・職業歴・家族歴・喫煙歴などを含む詳細な問診、肺機能検査、血液検査からなる臨床情報、高分解能コンピューター断層画像(HRCT)やいままでの検診時の胸部X線画像の変化からなる画像情報、そして外科的な肺生検からえられる病理組織情報から総合的に行います。

 

「厚生労働科学研究難治性疾患研究事業びまん性肺疾患に関する調査研究班」により報告されています。2003年から2007年における北海道での全例調査では、特発性肺線維症の発症率は10万人対2.23人、有病率は10万人対10.0人でした。国内で新規登録された患者数の内訳は、特発性肺線維症の患者さんが80~90%と最も多く、次いで特発性非特異性間質性肺炎が5~10%、特発性器質化肺炎が1~2%ほどです。(要は、間質性肺炎の8割以上は、特発性肺線維症という病気です。)

 

咳のコントロールは、脳や気管支に作用する咳止めを用いますが、効果は一時的なことが多いです。

 

治療についてですが、ここでは間質性肺炎の8割以上をしめる特発性肺線維症についてまず、先の難病情報センターの記事から抜粋します。

 

特発性肺線維症の治療は、抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が使用されます。特発性肺線維症は進行性の経過をとりますが、治療薬による治癒が困難なために、進行抑制が現実的な目標となります。

いくつかの臨床試験で進行(肺活量の経年低下)を半分に抑える結果が示され、国内外の特発性肺線維症のガイドラインにおいて抗線維化薬の使用が提案(条件付きで推奨)されました。

また、抗線維化薬は進行抑制だけでなく急性増悪の抑制効果も示されており、特発性肺線維症の生存期間を延長することが期待されています。

 

ごく軽症で息切れなどの自覚症状がない場合は、喫煙者であればすぐ禁煙し、病態進行の程度を数ヶ月観察することもあります。抗線維化薬には、食欲不振や胃不快感、光線過敏症、下痢などの副作用があるため、内服については主治医の先生とよく相談されることを薦めます。

 

そして、特発性肺線維症以外の特発性間質性肺炎の場合の治療ですが、ステロイドや免疫抑制薬などが使用されます。軽症や進行に乏しい場合には経過観察することもあります。